業務用エアコン新設工事の詳細を解説します

業務用エアコンの新設工事は、快適な空調環境を実現するための重要な工程です。
適切な施工を行うことで、エアコンの性能を最大限に引き出し、長期間安定した運用が可能になります。
本記事では、業務用エアコン新設工事の各工程を詳細に解説します！

養生（ようじょう）

業務用エアコンの新設工事を行う際には、建物や設備を傷つけないように 養生作業 を徹底的に行います。
具体的には、以下のような対策を施します。

• 床の養生

クッション性のあるシートやブルーシートを敷いて、傷や汚れを防ぎます。

• 壁、天井養生

エアコンの取り付け位置周辺の壁や天井を保護し、工具や部材が接触しても損傷しないようにします。

• 搬入経路の養生

室外機・室内機の搬入時、通路やエレベーターに傷がつかないように保護します。

• 家具、設備の保護

作業エリアにある家具やオフィス機器をビニールシートで覆い、汚れやホコリの侵入を防ぎます。

養生がしっかりしていないと、施工後に思わぬトラブルが発生する可能性があるため、慎重に作業を行います。
 

 

室外機・室内機の搬入

業務用エアコンは 重量があるため、安全かつ効率的に搬入するための段取りが重要です。
事前に建物の搬入口やエレベーターのサイズを確認し、適切な搬入ルートの確認と確保をします。
大型の室外機や室内機を設置する場合、屋上設置や人力での搬入が困難な場合は、クレーンやリフトを用いることもあります。
搬入時は複数人で声を掛け合いながら慎重に行い、チーム作業での安全管理が重要です。
機器を落下させてしまう、接触等の事故を防ぎます。
 

 

据付工事

室外機・室内機の新設据付作業を行います。
エアコンを設置するための据付作業では、正確な位置決めと固定が必要になります。

室内機の設置

エアコン工事以外に内装工事が発生する場合は、干渉しないように効率的でスピーディーな工事を行う必要があります。
室内機の据付工事は天井の状態、形状によって据付方法が異なります。
天井がスケルトンの場合は開口工事等がない代わりに室内露出配管となるので、美観を重視した設置が求められます。

天井カセット形、天吊形、ビルトイン形、ダクト形の場合

室内機が収まるように天井を開口し、アンカー打設を行います。
そこにエアコンを吊らすように設置します。
ビルトイン形や天井埋込ダクト形の場合は室内機を設置後、天井補修を行う事もあります。

壁掛形

背板を据付後室内機を掛けて設置します。

床置形

水平を保ち、設置します。
高さが必要な場合、置台の上に据付します。
 

 

室外機の設置

室外機の設置方法はスライドブロックや架台、アンカー打設等があります。
スライドブロックで室外機を固定する場合は振動を抑えるため、防振ゴムを敷いて設置します。
強風や振動によるズレを防ぐため、コンクリート基礎へアンカー固定を行う場合もあります。
架台を使用する場合は壁面、屋根、大型の室外機の場合は防振用の架台等もあります。
 

 

壁面開口

配管や配線を外部に出すため、コアドリルという工具を使用して、壁面を開口する作業です。
開口後は開口部から雨水が侵入しないよう、防水処理を徹底します。
適切な穴あけを行わないと、建物の耐久性に影響を与えるため 慎重な作業が必要です。
 

 

冷媒配管工事（新設）

冷媒配管工事は、業務用エアコンの性能と耐久性を左右する非常に重要な工程です。
この作業では、冷媒が正しく循環し、漏れや劣化を防ぐための細かい技術が必要となります。
冷媒配管を新設する場合は、最適な配管ルートを定める必要があります。
露出配管、美観を意識したり、隠ぺい配管等現場ごとに施工方法が異なります。
結露や冷却効率の低下を防ぐため、断熱材でしっかり保護します。
冷媒配管を室内機や室外機と接続する際には、配管の端部にフレア加工を施します。
この加工は、配管を圧縮して接続部分を強化する作業で、冷媒漏れを防ぐための重要な技術です。
 

 

ドレン管工事（新設）

エアコンから発生する結露水を排水するためのドレン管を接続します。
適切な排水ができるように傾斜・勾配を調整しつつ最適なルートで施工します。
放水場所も問題がないか確認が必要です。
 

 

連絡配線工事（新設）

エアコンの室外機と室内機をつなぐ電気配線を接続します。
室外機と室内機を繋ぐため、冷媒配管と同じルートで施工することが多いです。
 

 

リモコン設置工事（ワイヤードリモコン・新設）

エアコンの操作に必要なリモコンの取り付けを行います。
ワイヤードリモコンを壁面に固定し、設置します。
エアコン本体と確実に接続し、動作確認を実施。
配線が露出する場合、メタルモールなどでカバーを付けて美観を保ちます。
 

 

電気工事（ブレーカー設置・電源配線工事・電力申請）

業務用エアコンの新設工事はエアコンを稼働させるための電気工事が必要です。

ブレーカー設置

業務用エアコン専用のブレーカーを設置することで、他の機器との干渉を防ぎます。
原則電子機器1台につき1つのブレーカーが必要で、適切な容量のものを選定し、過電流が流れないようにする役割があります。
機器の馬力によって仕様に準じたA（アンペア数）が設定されており、A数と仕様が合致したブレーカーを設置します。
 

 

電源配線工事

業務用エアコン専用ブレーカと室外機間を繋ぐ電源配線工事の項目です。
機器の仕様、ブレーカーから室外機間の距離、電圧等の計算を行い、適切な電源配線の種類、太さを選定し、安全なルートで配線します。
 

 

電力申請

電子機器を新たに設置する場合や従来の電力契約から変更する場合、必要な手続きとなります。
申請の完了まで時間がかかってしまうことが多いので注意が必要です。
電力契約会社により申請内容や対応が異なりますので、お客様に契約電力会社の情報などを共有していただく必要があります。
 

真空引き

最後に冷媒配管内の空気や水分を取り除く「真空引き」作業を行い、試運転で正常動作を確認します。
「真空引き」は真空ポンプを使用し、配管内を完全に真空状態にします。
この工程が不十分だと冷媒が正常に機能しないため、高精度の機器で時間をかけて真空引きを行います。
 

 

試運転調整

試運転は冷暖房の切り替えや温度調整の確認を行い、性能を計測します。
冷暖房能力や異常がないかを確認して、お客様に最適な状態で引き渡します。
 

 

まとめ

業務用エアコンの新設工事は、 多くの工程が絡み合う繊細な作業 です。
一つひとつの作業を確実に行うことで、快適な空調環境を実現し、長期間トラブルなく使用できるようになります。
また他の内装業者の工程もかかわる場合は複数の業者間で日程の調整が必要となります。

エアコンネクストでは専門知識を持ったスタッフが、お客様の環境に最適な業務用エアコンの新設工事を行います。
新設工事を検討されている方は、ぜひご相談ください！