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業務用エアコン設置時に見落としがちな設置環境リスクとは?

2025/05/26

業務用エアコン設置時に見落としがちな設置環境リスクとは?

業務用エアコンは実際に設置する現場の環境条件によって、「冷えない」「止まる」「異常が出る」といった不具合が発生するケースは少なくありません。
設置後に「すぐ故障した」「思っていたほど効かない」「エラーが頻発する」といったトラブルが起こる原因のひとつとして、設置環境に起因することがあります。

本コラムでは、現場で実際に起きやすい見落としポイントをもとに、業務用エアコンを最大限活かすために気をつけるべき環境リスクとその対策について、解説します。

室外機の前に遮蔽物がある

業務用エアコンの室外機は運転時に機器の熱を排熱風としてを吹き出すという重要な役割を担っています。
しかし、設置場所の室外機ファンの前に壁、他の室外機、農機資材等の遮蔽物があると、排熱がうまく流れず、熱がこもってしまいます。
室外機が高温になってしまい、冷房・暖房運転が停止してしまったり、または能力が極端に低下するなどの不具合が起こります。
このような排熱不良が続くと、圧縮機などの主要部品にも過大な負荷がかかり、結果として早期故障や機器寿命の短縮につながることもあります。
導入したばかりなのに修理が必要になった、という事例も少なくありません。
 
室外機の前に障害物
 
 

風向ガイド・架台等を活用して排熱の流れを確保

もしも室外機の前に遮蔽物があり、スペース確保が難しい場合、以下の方法で排熱不良対策を行うのが良いでしょう。

室外機の排熱を適切に逃がすためには、風向ガイドを取り付けて排気方向を誘導する、あるいは架台を設けて、高さを調整し、遮蔽物を回避する対策が有効です。
通気を確保しつつ景観や建物規制にも配慮する「最適な設置条件」を導き出すことが、トラブルを未然に防ぐ鍵です。
 
風向ガイド付室外機
 
 

室内機の吹出口の前に壁や遮蔽物がある

天井カセット形4方向などのエアコンでは、吹出口の正面に壁やパーティションがあると、風がすぐに跳ね返って吸込口に戻ってしまう「ショートサーキット」が発生することがあります。

この状態では、エアコンは十分に冷えていると誤認識し、運転を弱めてしまうため、部屋全体が適切に冷えなかったり、特定の場所が極端に暑い・寒いという空調ムラが発生します。
これは、特にレイアウト変更が多いオフィスやリフォーム直後の施設で見落とされやすい問題です。施工時に問題がなかったとしても、その後の家具配置や内装変更によって風の流れが妨げられてしまうこともあります。
 
室内機の吹出口前に障害物
 
 

遮風材を装着して風を塞ぐ

風が直接壁に当たらないようにするには、遮風材を取り付け、吹出口を塞ぎます。
メーカーによって吹出口を塞げる箇所が異なります。
必要に応じて吹出しバランスを再設計することで、空調効率の改善につながります。
 
 

油煙環境で通常機を使う

飲食店や厨房などでは、通常の業務用エアコンを使用すると、調理によって発生する油煙がフィルターや熱交換器、ファン部分に付着し、冷暖房効率が著しく低下する恐れがあります。
特に設置してある数の多い、天井カセット形の室内機では、専門業者以外での分解清掃が難しく、内部に蓄積された油分が長期間放置されることで、異臭・異音・風量不足・水漏れなど多様なトラブルに発展します。
 
飲食店厨房内
 
 

厨房エアコンを設置 or 室内機を油煙域から離して設置

厨房など油煙の多い環境では、耐油仕様の厨房用天吊形エアコンの導入を推奨します。
これは、内外部の部材に耐腐食加工が施されており、厨房で長期間使用する機種として最適です。

また、天井埋込ダクト形やビルトイン形を使い、室内機本体を厨房外に設置し、吹出口だけを厨房内に配置することで、油煙の影響を大幅に軽減することも可能です。
 
厨房用天吊形
 
 

粉塵環境で通常機を使う

木材加工場、食品加工場、物流倉庫など、粉塵が常時発生する環境で通常の業務用エアコンを使うと、吸込口のフィルターが短期間で目詰まりを起こし、吸込み不足や温度センサーの誤作動、水漏れなどの不具合に発展することがあります。
粉塵は湿気と混ざることで室内機内部にこびりつきやすく、清掃の手間やコストも増大します。
 
製麺加工
 
 

室内機を別室配置

粉塵リスクが高い環境では、天井埋込ダクト形やビルトイン形を採用し、本体を粉塵エリア以外に設置することで粉塵による室内機の故障を防ぎやすくなります。
 
 

寒冷地に標準機器を設置

冬場に氷点下となる地域で一般的な標準機器を設置すると、室外機に霜がつき、それを除去するための霜取り運転が頻繁に作動します。
この間、エアコンは暖房を一時的に停止するため、「室温が上がらない」「温風が出ない」といったトラブルが発生します。
温度帯によっては一時的なだけではなく、全く運転できないことも….

特に朝や夕方などの冷え込みが厳しい時間帯には、運転が全くできないこともあるので、暖房すべてをエアコンでまかなう場合は注意が必要です。
 
霜取り運転
 
 

寒冷地仕様エアコンを設置

氷点下でも安定した暖房性能を維持するには、寒冷地仕様のエアコンの導入が必要です。
-15℃以下でも安定稼働する製品や、凍結防止ヒーターを搭載したモデルを選ぶことで、真冬でも快適な空調環境を維持できます。
 
寒冷地仕様
 
 

まとめ

最新の業務用エアコンでも、その能力や寿命を100%発揮できるかどうかは、「どこに」「どのように」「どんな環境で」設置されるかにかかっています。
環境条件を甘く見て、価格だけで設置場所を選んでしまうと、故障・メンテコスト増といった問題が発生する可能性もあります。

設置環境に起因するリスクを回避し、長期的に快適かつ経済的にエアコンを運用するためには、設置前の現場調査と適正な機種選定、周辺環境への対応策が不可欠です。

エアコンネクストでは、導入前の現場確認から、設置環境に最適なご提案まで一貫サポートを行っています。

設置に不安がある方、既存の環境でお悩みの方も、お気軽にご相談ください!
プロの目線で、確実に「効く」業務用エアコンをご提案いたします!
 

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この記事を書いた人

エアコンネクスト コラム担当

エアコンネクスト コラム担当

空調業界経験15年、これまで6,500件以上の空調機販売と設置工事のご依頼をいただきました。 管工事施工管理技士・電気工事施工管理技士・電気工事士などの資格も取得しています。 ご自宅から小~中規模ビル、工場や大型施設など、どのような設置環境でもお任せください。 お客様のご要望をしっかりとお伺いして、最適な空調と快適な空間をご提案します。

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